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2012年を日本再生の年としていきましょう

宮城県平和大使協議会議長 増田 英俊

   今、世界は至るところで大きく変動し、不安定な状態になっています。日本もその中の一つと見てよいでしょう。政治の混迷、経済の停滞、頻発する理由なき殺人事件や命の貴さを知らぬ無謀運転事故、数えあげたらきりがありません。それに追い討ちをかけたのが東日本大震災でした。日本国中に大きな衝撃を与えました。そしてこれまでの価値観を大きく揺さぶってくれました。耳に入ってくるニュースは津波とか原発事故による悲惨な状況、悲痛な叫び声ばかりでした。

 しかし、この日本の現状、悲観的に捉えてはなりません。日本人は逆境に負けぬ強靭な精神の持ち主です。この大震災は天が我々に授けてくれた試練と心得、胸に刻み込んでいきましょう。教訓として感じたことを以下に挙げてみました。日本再生の心構えと理解していただければ幸いです。

 一つは、人とのつながりを大切にし、その連携を強めること。このことは今度の大震災でみんなが痛感されたことでしょう。人は生まれた時から家族とか周囲の人に囲まれて育ち、多くの人とのつながりの中で成長していく。そこに人と人との強い連携、絆が生じる。この連携こそ強い人間社会、強い国家を造りだしていく。ところが今の世は期待するようにはなっていないのです。

 戦後の日本は、近刊の書 『日本人の誇り』(藤原正彦著、文春新書)にもあるように、自由とか個人、個性を最も大切にする欧米流の価値観に偏りすぎてしまいました。その結果、昔から日本にあった「私を捨てて公に尽くす」「自己主張より譲り合う」「人とのつながりや人の和を尊ぶ」という美感が自然と失せてしまい、結果として協調性がなく自分本位なバラバラな社会が出来てしまった。これではいけません。欧米流の価値観の良いところは保ちつつも、日本古来の美しい風習は絶やさぬよう努めてまいりましょう。

 もう一つは、義を重んじること。義は正義と言い換えてもよいでしょう。今回の大震災では全国各地から多くのボランティアが被災地に集まり大活躍でした。これには世界中から驚嘆の声があがりました。

 日本人は元々義に強く、人の苦とか悪を黙って見逃せないという精神を持った民族です。これは主に封建時代の武士道の精神として培われたものです。新渡戸稲造の『武士道』(奈良本辰也訳)によると、義は武士が心の支えとして身に付け、徳目の中で最も大切なものとしていたようです。以来この感覚は武士のみならず庶民にも浸透し根付いていきました。

 ところが当世では、自分を大切にするという欧米流価値観を謳歌する反面、他人に対する配慮が希薄になってしまった。その結果、世の秩序を乱すような自己中心的な行動や犯罪が増えてしまいました。

 とはいえ日本人の誇りとして身に付けている義の精神は心の片隅で生き続けているのです。勇気を持って人のために尽くす、これを大切にしていきましょう。

(Monthly News Letter「ファミリー・プロミス」より)